大学院生が教育活動に携わる「学びのコミュニティ」システム
東京工業大学では、学士課程学生・大学院生・教職員が、“学び合い・教え合い・語り合いを通して、主体的に学習に取り組み、お互いを尊重しながら、相互につながり、成長していく環境“を構築しています。これが「学びのコミュニティ」です。
この「学びのコミュニティ」の中核として、教員と協働で、学士課程の教育活動やオンライン学習コンテンツの開発・運営に携わるのが大学院生アシスタント(Graduate Student Assistant, GSA)です。
大学院生が学士課程の教育活動に携わることにより、大学院生自らがより深く学び、学習意欲の増進やリーダーシップ育成へとつながる教育システムは、海外のトップユニバーシティでも既に実現されています。また国内でも、従来のTA(Teaching Assistant)制度を拡充することによって、学生がより積極的に学習支援に関わることができる取り組みが広がっています。なかでもGSAプログラムは国内では初めての規模の大きな取り組みで、東京工業大学教育革新センターとリベラルアーツ研究教育院が連携して推進しています。
「学びのコミュニティ」は新しい学びの場
東京工業大学のGSAプログラム
GSAプログラムの大きな特徴は、大学のカリキュラムの中でGSAとなることができる仕組みとなっている点です。
大学院生は、基礎科目やワークショップを通して、仲間の能力を最大限活かしながら目標に向かってチームを導くリーダーシップについて学びます。さらに実践科目やOJT(On-the-Job Training)でファシリテーターやレビューアーとして学士課程学生の学びをサポートしたり、オンライン教材開発に携わることでファシリテートやチュータリング、コラボレーションの力を身につけます。それと共に自らの学びを深め、人としての総合力を高めていきます。
一方、学士課程学生は、年齢の近い先輩であるGSAからのサポートに刺激を受け、GSAをロールモデルとして学習意欲を向上させていきます。
さらに教職員は、学生たちに適切な助言を与えながらコミュニティ発展の手助けをし、自らもまた更に学んでいきます。
GSA・学士課程学生・教職員の輪の中で生まれるこの“学びの結び合い”という好循環は、大学全体の学びの環境の一層の活性化に寄与しています。
GSAプログラム実施委員長からのご挨拶
「GSAの活動を通して自分の可能性を広げてほしいと思います」
東京工業大学では、2016年4月からスタートした教育改革において、様々な学びの改革を進めてきています。そのなかでGSAプログラムは、学士課程学生、大学院生、教職員による「学びのコミュニティ」をつくり、相互に成長していくことを目指しています。
GSAに求められる力は、チームの中で学びをサポートするリーダーシップです。チームメンバーの良さを引き出しながら学びを深めていく取り組みにより、人との関わりの中で自らを活かすことができるようになります。これは、社会に出ていく上でとても重要な能力のひとつです。
そして何より、人の学びをサポートすること自体が、とても充実感があり楽しい活動です。GSAプログラムに取り組み、世界を広げてみませんか!
リベラルアーツ研究教育院 教授
室田 真男
GSAプログラム実施委員会 教員一覧
実施委員長 | 室田 真男 | 教授 | リベラルアーツ研究教育院 |
実施委員 | CROSS JEFFREY SCOTT | 教授 | 環境・社会理工学院 |